穏やかに、でも楽しんで暮らしたい

1人暮らしシニアの日々

母のダンベル

いつ頃だったのか覚えていないのですが、
私がまだ学生の頃でしょうか、
ある時実家に帰ったら見慣れないダンベルがありました。



何これ―どうするの?と笑いながら母に聞いたら
肩が痛くて(多分四十肩とか五十肩とかいうやつ)
お医者さんに勧められたとかでダンベルをただ手に持って
ぶらぶらさせる運動をしているとのこと。


そうなんだ。
そういう事で病院に行っているんだ。
これが初めて私が親のトシを感じた時かもしれません。


高校卒業後すぐに、進学のために家を出たので
親がトシをとっていく事を日々感じる事はありませんでした。
両親ともまだまだ若いと思ってた。




時を経てずーっとそのダンベルは目に見えるところに
おいてあり、使っているのかいないのかわからないけど
なんとなく実家のリビングの景色になじんでいました。




そして両親ともが他界したあと、このダンベルは私が引き取りました。
何かをするあてもなかったのですが。

無骨な鉄のかたまりの上に母が編んだ毛糸のカバーが
かかっています。
この毛糸は私が小学生の頃、「トラのカーディガン」と
呼んでいたお気に入りカーディガン(母の手編み)の
残り毛糸で編まれています。


ところどころ切れそうになっていますがまだ健在。
50年以上前の毛糸です。



そして今、ジムに通い始めた私はダンベルの正しい使い方を
教えてもらい、きちんとダンベルとして活用されることとなりました。
家にダンベルがあると言ったらトレーナーの方が驚いていました!


日々ダンベル本来の役割で使っています
こうやって何十年か後に
私の筋トレに役立つとは、、母も思っていなかったでしょうね(笑)